海の見えない街より愛をこめて

好きって絶望だよね

NEEDY GIRL OVERDOSEの問題点とメンヘラのコンテンツ化(2023-06-24)

※noteにて過去に執筆した記事の移行です

 

https://note.com/neruna_lapis/n/n4e73636964bd

こんにちは。しらかわです。
上のリンクの記事で言及しましたが、私はNEEDY GIRL OVERDOSEが大好きです。
しかし全肯定的に好きなのではなく、最近になって批判的な感情も生まれてきたのでここに書き留めておきます。

 

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全エンド解放済み。ぶいっ

 

私はニディガアンチではないです。ニディガの売り出し方やメッセージがただただ自分本位だと思っただけです。真エンドで爆泣きしましたが……。

 

0.はじめに

noteにおいて私が思うにゃるら氏の話を自己紹介に絡めてしたことがなかったのでざっくりと。

 

しらかわ 19歳(2023年6月当時)
所謂にゃるら界隈にいた、元にゃるら信者。1ヶ月に1回くらいにゃるら氏にDMを送る人間でした。
にゃるら氏とのTwitter以外での繋がりはないです。
開設日当初からいる元キボンヌ民・元Twitter2民でした。
NEEDY GIRL OVERDOSE(以下 ニディガ)を発売日前から追っていました。

 

1.批判的に見る視点が少し惜しかった記事


ニディガ発売当初にインターネットに出た批判記事を貼っておきます。

https://jp.ign.com/needy-girl-overdose/58515/opinion/needy-girl-overdose

 

フォロワーが当時この記事についてツイートしていて、「ニディガをちゃんとプレイした上で批判していますか?」って引用で噛みついてしまった記憶があります。
あのときはごめんなさい。

 

今読んでも多少理解し難い部分はありますが、言っていることの半分以上は私もそう思うようになりました。
去年はエアプがよ……と思ってたけどよく見たらWindowsXPを模してるって書いてるしにゃるら氏が踏襲したかったであろうY2Kの部分に触れていて良かったです。(ちなみに私の好きなWindowsのOSはMeです)

 

この記事については後述の章で触れていきます。

 

2-1 メンタルが弱く居続けることは幸せか否か


ニディガの公式サイトでは「ちょっぴり心の弱い女の子「あめちゃん」を
「超絶かわいいインターネットエンジェル」に
変身させて、オタクたちに向けて配信させよう!」となっているし公式で「メンヘラ」だと断言された形跡はありませんでした。
それがいつのまにか第三者によるニディガの紹介記事で””メンヘラの女の子””「あめちゃん」としてメンヘラという呼称になってたみたいです。

 

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公式サイトを見ていて唯一ん?となったのは、
「やんでる彼女のミライはあなた次第 マルチ破滅エンド搭載」
「何度も破滅を繰り返しながら、あなたにとっての理想のエンディングを探してみてください。」
の2つの文章。

 

エンディングはすべてが破滅ではなかったし、あめちゃんが健常者(メンヘラではなくなり、一人でも生きられるようになった状態)になって配信者をやめてしまうエンドもあった。(これがいちばん幸せなエンドだと思う)

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資格の勉強してた

 

メンヘラが健常になれることは破滅ではなく、寧ろ幸せなことだと思う。
There is no angelがいちばん好きだけど、健常者エンドが2番目に好きです。
健康なのがいちばんいいですからね。

 

「納得がいかない。配信者をやめるのはわかる。しかし本作でいうところのやみ度とやらが0の状態で精神の負荷がないというのはいかがなものか。寛解への軌跡がない。精神疾患を帯びていない人たちにも存在する心の痛みを否定するものだし、明るく生きる人たちの生き様をも否定している。」
1の記事より引用。
本当にそう!!!!!!!!!

 

2-2 虚構のメンヘラは現実のメンヘラを救わないし責任も取らない

 

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ゲーム開始時に出てくるやつ。

 

ゲーム開始時に、毎回この画面が出てきます。優しいなと思う反面、超てんちゃんは救いになってくれないし現実のメンヘラたちの行動には責任を持ってくれないんだなと思う。

 

「またゲームを起動するとタイトル画面で「これは絵空事」だと前置きされる。本作は医療情報として誤っていることに対して自覚的だ。だが第四の壁を破って(特定のゲームオーバーでは)「これがゲームでよかったね」などといったウィンドウを出してくるため、ある程度本作のリアリティーに関しては自覚的であることは明白だ。いずれにせよ、本作は現実世界と関係がないと言いながらも、現実世界にありそうな雰囲気を取り入れることによる演出を多用しているのは間違いないだろう。」
1で提示した記事より引用

 

無責任だと思う。
このゲームが爆発的な人気を見せて所謂””メンヘラ界隈””の外の人々もプレイした結果、リストカットやODなどのメンヘラ文化に触れて実際に行動に移してしまった人もいるというのに。
(私はまほうのきって経由でLSDの存在を知り、LSDの歴史や麦角の歴史などを調べたりしています。面白いですね……)
””過激で鬱屈とした表現や演出を真似したりしたらダメ!””で済まされるほど10代の女の子の好奇心って抑えられるものではないと思う。
オーバードーズ(OD)は使用する薬によっては多幸感が発生して依存しがちなものです。私もやめられるまでにだいたい2年かかりました。

 

ゲーム中であめちゃん(超てんちゃん)の行動を制御するのはプロデューサーであり恋人でもあるピ、つまりピは意図的に配信のネタ作りやあめちゃんのご機嫌取りのためにODをさせていたことになる。
私も初見プレイ時にあめちゃんに薬をガバガバ飲ませてみたりしていたが、エンディング集めのためとはいえ本当に畜生だったと思う。あめちゃんごめんなさい。

 

2-3 にゃるら氏とメンヘラの方々


にゃるら氏の存在は本記事を読んでいる皆さんならお分かりだと思う。
ニディガの企画とシナリオ担当の中野に住むオタクツイッタラー・ライターの方である(端的に言えばニディガを作った人)

 

にゃるら氏とは2年くらい前からちょくちょくDMを返してもらっていた。個人的なDMなので掲載はしません……。

 

にゃるら氏本人と問題点がどう関わってくるのか?という話になるが、にゃるら氏の著書である「承認欲求女子図鑑」とにゃるら氏のDM、ニディガのインタビューである。

 

本書はSNSで出会った承認欲求がすごい女性たちにインタビューをした、というものである。(私は承認欲求女子図鑑を未読な上、持ってすらいないので語れることはありません。ごめんなさい)


ニディガのインタビュー(4gamer×にゃるら氏、下記リンク)において

 

「その「インターネットでの出来事をそのまま描きたい」という部分では,「承認欲求女子図鑑」で取材された方々を参考にしているそうですね。」
「はい。「承認欲求女子図鑑」を書いていたとき,「インタビューを受けたい」と自分から言ってくださった女性の方が多かったんですよ。承認欲求が強い方々ですし,人生って凝縮すると基本的に面白い話になりますので,それを語りたいと。そういった人生にプレイヤーが介入して,2人で人生を作っていくというのが「NEEDY GIRL OVERDOSE」です。」
という会話がある。

https://www.4gamer.net/games/537/G053796/20210615063/

 

このインタビューの他にも、にゃるら氏が「SNSの(精神が弱い)女性を参考にした」と答えているものもあった。
たぶんその中には承認欲求女子図鑑の女性たちだけではなく、にゃるら氏とSNSでやり取りをした女性たちも含まれていると思う。

 

実在する女性をサンプルモデルとして、多分岐とはいえ破滅を迎え続ける作品を作ったことに対して私はあまり良くは思わない。
性別問わず、インターネットを生きる人々に幸あれ。

 

3 メンヘラのコンテンツ化


””推し””という言葉が個人的に嫌いなので””好きな””個人勢Vtuberという表現を取らせてもらう。
Vtuberといっても今や形態が様々になってしまったが、その子はLive2Dと顔出しなしの現実世界のアバター2つで活動している。
好きなVtuber(現実での年齢が年下)が自殺未遂を繰り返し、泣きながら動画をあげてファンに向かって「どうして一緒に死んでくれないの?嘘つき」と言い続けている場合、どうすればいいだろうか。
その子が意図せずに自分の人生をコンテンツとしてしまっている場合、どうすればいいのだろう。

 

超てんちゃん(あめちゃん)がメンヘラの味方のようなもてはやされ方をされて早1年、超てんちゃんのファン層は実在する””自分に似た””女の子を探していた人も少なくないと思う。
私の好きなVtuberはメンヘラを名乗ってはいなかったものの、儚げだったこととTwitterで死にたがりがちだったことでファンには””メンヘラ””の女の子が多かった。

 

Vtuberのコンテンツといえば雑談、ゲーム、企画系、歌などなのにその子は自分の人生そのものをコンテンツとしている感じがした。
1週間に何度も自殺を仄めかしたりアカウントを消したりしていた。
サブアカウントでは「○○は「早く死んでほしい」「生きて」」の二択で投票を作成し、死んでほしいに入った票を見て落ち込むなどしていた。

 

私は最初のうちは本当に心配したりしていたけれど、だんだん自殺の仄めかしの頻度が増えていくうちに「自分の人生をコンテンツ化するな!!!!」という気持ちになってきていた。

 

自分の人生、対人関係など全てをコンテンツ化していた双極性障害のフォロワーは破滅していった。つまり自分の人生のコンテンツ化は破滅しか生まないのだと思う。

 

過去の話での自分のコンテンツ化は興味深かったり面白いものが多いが、現在進行形で命がかかっていることでコンテンツ化するのは本当にやめてほしい。
Vtuberの子のファンも呆れたりしている人が多くて、そのうち悪い人に潰されてしまうのでは、と思ってしまう。

 

人生のコンテンツ化をやめさせるには本人が「自分は心配されているのではなく、生きているコンテンツにされているだけだ」と自覚することしかないので、早いところ気づいてほしい。

 

SNSで自殺を仄めかして暴れている自分とものすごく重なるところがあるから。

 

4.さいごに


宗教は救いにならない 自殺も救いにならない 愛だって救いにはならない 人を救えるのは常に人だ

https://kasuusagi.hatenablog.com/entry/2013/05/14/233515

 

人、と言っても他人に縋りすぎるのは良くないから自分を適度に大切にすべきだと思う。

 

あと、メンヘラ・精神疾患をカワイイコンテンツにするな!!!!!緩解する努力をしろ!!!!!!!!


コンテンツであるなら””死なない””メンヘラ神であってほしい。
私も生きている世界線のメンヘラ神くらいに面白い人間でありたいです。

 

そして、躁鬱の人間って躁状態のときにめちゃくちゃ好かれるけど鬱の時に見捨てられがちらしいので少しでも元気になる努力をしようと思っています。

 

それでは。